Jazz Flute Lesson
サックス奏者向けのジャズ・フルートレッスン。フルートの頭部管(ヘッドジョイント)のみで音を出すトレーニングは、サックスのマウスピースやネックを取り付けて練習するのと同じような意味合いです。
フルートの構え方や姿勢に慣れるのはサックスよりも大変です。頭部管のみの練習は、楽器本体で練習する時よりも姿勢の影響を受けにくいです。抵抗感が少なめで音数が限られますので、アンブシュアや音色のことだけに集中できます。
頭部管の音程は、平均律で正しい音程が出るという意味ではありません。サックスのマウスピースと同じように吹き方で音程が上下します。吹き方や角度で音程を合わせることもできますが、頭部管のみ練習で正確なチューニングが出なくても問題ありません。(私の場合には、高めのG#2が出ます)
楽譜上の全ての音を練習する必要はありません。低い音からスタートして少しずつ音域を広げるように練習します。
頭部管のみ
頭部管を吹くとG#2からA2ぐらいの音程で音が出ます。この一つの音だけの練習で十分ですが、オーバーブローすると1オクターブ上のG#3〜A3の倍音が出ます。
頭部管でG#3〜A3をトレーニングすると、高音域の鳴らし方のコツが見つかるかもしれません。楽器本体で3オクターブ目の音域の音が当たらない場合に、同じ音域の音を頭部管のみで確認できます。
頭部管の開口部を右手で閉じる
頭部管を閉管状態にすると、管体の音程が1オクターブ下がります。クラリネットと同じように偶数倍音が出なくなります。G#1〜A1は強引に鳴らそうとしなくても簡単に音が鳴ります。
第3倍音のE3、第5倍音のC#4は、上達に合わせて試して下さい。
1オクターブ (C1-C2)
サックスを吹いている方であれば、フルートのフィンガリングは覚えやすいです。基本となる1オクターブ目をロングトーンして、アンブシュアや音色作りのみに集中します。
C2やB1で土台となる音色を作ってから、その音色の響きを下の音域に繋げるように意識します。G1ぐらいから音が暗くボワボワしてきたら失敗です。最初のC2に戻って音色を作ります。
フルートの通常音域は3オクターブありますが、低音域1オクターブ目のロングトーンで音作りをします。サックスはマウスピースが吹けるようになると、奏法がいい加減でもとりあえず全音域で音が鳴りますが、フルートは簡単ではありません。
半音
「ラ♯・シ♭」のフィンガリングは複数あります。
アイスレバーは、サックスのサイドBbキー(Taキー)と同じ役割です。ブリチアルディ・キーは、サックスのPキー(Bisキー)と同じ役割です。演奏時のフィンガリングの使い分けもサックスと同じです。
半音のフィンガリングもサックスとよく似ています。最初に全部覚えましょう。
オーバートーン
フルートの最低音C1が出るようになったら、オーバートーンの練習を追加します。フルートにはオクターブ・キーがありません。2オクターブ目からは倍音コントロールで演奏します。
最初は、第1倍音(基音)から第2〜3倍音にアンブシュアを変えずに上下する練習で十分です。サックス練習と同じように、さらに上の高音域はオーバートーン練習で強化します。
オーバートーンの練習は、サックスよりもフルートで練習する方が理解しやすいです。サックスでオーバートーンやフラジオは簡単に出ると言っている方の多くは、リードを曲げたり口を変形させて無理やり吹いています。リードに頼らずに身体の使い方や口腔内で音色をコントロールことの意味がわかるようになると思います。
2オクターブ (C2-C3)
半音
2オクターブの音域でロングトーンが安定すると、教則本を使用したレッスンがスタートできます。3オクターブ目の音域は、音が鳴らなくてもよいのでフィンガリングを最初に丸暗記します。
3オクターブ (C3-C4)
半音
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